「心と脳の正体に迫る」を読んで、茂木さんの今書いてると聞く論文の内容が気になったが、

「心と脳の正体に迫る」天外伺朗, 瀬名秀明 - 図書館で借りて読んだ。

心と脳の正体に迫る 成長・進化する意識、遍在する知性

心と脳の正体に迫る 成長・進化する意識、遍在する知性

神秘体験の解説の分量が多かった。そういう意味ではこれはボクがやってる範疇ではなかった。最初の植物の意識の話には興味を持ったが、後半は予想外だった。ペンローズ人工知能についてのABCDの立場の解釈は、たぶん誤解だと思う。(読んだこと無いけど)(それとついでに言えば、デネットの自由意志の説明(あとがき)で「神の視点ですべてを見下ろせば、世界は決定されているのかもしれない(決定論)が、行為者(エージェント)視点で見れば自由意志で選択可能」と言ったとか言わないとかの記述が有るが、これも気になる。)

文中の話の進め方を見て思ったのは… 外から見えるものだけに注目すると、フロイトユング精神分析の違いとか、感情は何十種類にも分かれるとか、分類が好きな人の話になってしまう。偉い人の引用をたくさん集めて解釈する手法は核心になかなか近づかないような気がする。ボクは基本的な原理をもとにもっとシンプルな仮説を作りたい。

ベルクソンを引いて時間の概念の話をしているが、ブログ「To The River」で同じく言及している茂木さんが最近まとめていると聞く論文が、もし同じようにその神秘性に言及しているだけのものだったら少しがっかり。そうならないことを期待する。ただし、本が2005年出版でそれまでの対談をもとにしたらしいので、2005頃のホーキンス以前という理解。時とともに多様な考えに触れることで考えも多様になると思う。

土井利忠氏(=天外伺朗)で検索してみると、最近の活動は無いようだが、ソニー・インテリジェンス・ダイナミクス2006レポートで「時系列的なデータが構造化することで汎化された記憶」に注目していると有る。これはホーキンス的でもある。この後の活動が見あたらないのが残念。

  • 本の中で、独自に「人間の脳(能力)の特徴」を示しているので例によって参考にしたいが。
    1. 全体を総合的に瞬時に判断
    2. 美意識、価値観、クオリア、幸福感などがある
    3. 直観力、洞察力
    4. 抽象化能力
    5. 手抜き能力
    6. メタファーの能力
    7. 暗黙知(常識?)
    8. 意識の拡大(神秘体験)
    9. 超能力(テレパシー、透視)
  • ただし下の3点については誤解の無いよう、今後の考察からは省かせていただく。

※以上、twitterへのpostをもとに加筆・修正。

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