創造性・創発性が、意欲・体験・欲求・記憶・遺伝…とどのように関連しているかについてのまとめ
茂木さんがTwitterで「創造性とは、体験×意欲。側頭葉に蓄積される体験が、前頭葉の意欲によって引き出されるのだ。」と書いていたので、メモ。
上の茂木さんのツイートに対するボク(@mambo_bab)のTwitter 10/6/2012メモ:興味深い考え。意欲のメカニズムに言及が無いが、ボクが考えている[遺伝子の記憶…欲求(意欲に繋がるもの)]が一般的な記憶(体験)とシームレスに繋がり生じているのだとしたら。 RT @kenichiromogi そか(8)つまり、創造性とは、体験×意欲。側頭葉に蓄積される体験。
一般論や人生経験上の話としては、確かに創造性とは「体験×意欲」と言われると、なるほどと思いそう。体験、意欲がそれぞれどういうものか考えると、
体験というのは、エピソード記憶の蓄積という意味で理解しています。
意欲の方は少し難しくて、一般的には意欲(やる気のようなもの)がどのように生じるかは未解明です。ひとつに、本能や遺伝的なものとして、そんな感じの「前向きさ」みたいなもの有ると漠然と感じていると思います。それは、環境や健康状態などにより強化されたり減退したりすると感じられます。一目置いている人から評価されたりすると俄然やる気が出たりしますww。但し、意欲がどのようにして生じるかは明らかでなく、ドーパミンなどの神経伝達物質のはたらきは報酬系など一断面を示しているにすぎないと思われます。
ここからはボクの仮説ですが、意欲のもとになる「欲求」は、本能のような遺伝子の記憶として脳の中(たぶん新皮質)に織り込まれていると思われます。このところは前にもブログで書きましたが、ホーキンスが参考にしたマウントキャッスルの発見:脳内新皮質の一様性…を援用して考えることができると思います。この仮定を置くと、「知らなかったことを知りたい(仮)」などの欲求は、祖先がいつの時かに刻み込んだエピソード記憶のような「遺伝子の記憶」が、生まれた後の様々なエピソード記憶とシームレスに(他のエピソード記憶と区別無く)繋がることで生じると考えることができます。つまり、欲求と体験とは、同じメカニズムで連結できて、体験の蓄積から意識が生じる(←ここもブログの別の箇所の仮説参照)のと同じように、創造性も生じると考えられます。
もう少し言うと、エピソード記憶の中には、今後のいろいろなヒントになる体験も含まれています。創造性(または、何かを見つけ出す)の観点では、近いエピソード記憶から、「こういう似た状況ではこういうことが有った(問題を解決した)」ことを思いだし、答えを類推しているという仮説を考えています。(以下、2011-05-06のブログより)
- 近いエピソード記憶が有る→でも今欲しい答えは無い→前と違うのは○○で××の時の答えはある→○○と××の違いは△△→××の時の答えに△△を加味したら欲しい答えになる!(「→」で結ばれた各項目は全てエピソード記憶。各過程を一つずつ思い出すか、または瞬時に連続してひらめいて創発していると考える。)
- ○○の場合の答えは・・・××の場合からの変化率が(ほぼ)線形と解っている際は、(関連するエピソード記憶として)線形の場合の補正の仕方を記憶しているため、ほぼ正確に○○の場合の答えを予測可能。
- 「○○の場合」の答えは新規のエピソード記憶として、思い至ったプロセスとともに記憶される。
- 数学の問題を解くのも上と同様。
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