従来の総当たり式の「検索」による人工知能は困難なのか?

近日、または近年(5年もすれば)で、人工知能のようにも見える(人工無脳)システムが多くの家電製品などに組み込まれ、世の中に浸透してゆくと思われる。

一方この何年か、インターネット上で人工知能・無脳を考察する動きを見てきたが、多くの場合途中で活動が縮小してしまっている。ニューラルネットワークにたどり着けないことによる限界感によるものなのか?そういう意味では、以前に書いた「ABO意味理解システム」はむしろ異色に分類されると思う。(敢えてニューラルネットワーク人工無脳やagentをやることも実は可能性は有って、記憶データベースのカテゴリ分けなどを考えれば、誰かが今トライしていてもおかしくないのかもしれないが... )

従来の総当たり式の「検索」による人工無脳は問題なのか?フレーム問題?

何かのinputからoutputを導き出す場合、①「関係有ることを考慮しなければならない」が、人工知能が従来のコンピュータの処理方法を使用する場合は、自分の記憶データベースの全てに総当たりして関係を確認しなければならないという問題が有る。ところが、世の中の無限の事物の関係を全て確認しようとすると可能性爆発を起こしてしまう。そこで②「無関係なものは無視しなければならない」が、世の中の(対象事物以外の)無限の事物について無視することも、従来のコンピュータの処理方法では、データベースの全てに総当たりして一件一件無視する作業が必要となり、これも可能性爆発を起こしてしまう。

つまり、「言及せずに無視することの困難さ」が有り、一見人と同じように応答するシステムを考えようとしても、根幹のシステムが従来のコンピュータの処理を使用するため、いろいろな判断をするために(その時点で有限のデータベースであるとしても)膨大な検索を行う必要が有る。

ニューラルネットワークによるシステムが実現すれば解決するとも考えられる(表面的な説明を見ただけだが)が、今このブログで考えているのは、データ総量を減らしてでもなんとかして従来のシステムでやってみようというものである。(意味理解の初歩的なものとか、ポリシーとか、感情とか。)

  • データベースをtree構造に処理を分岐させれば言及を減らせるとか(言及ではなく参照か?)
    • 10〜100分岐すれば1/10〜1/100の言及ですむ。対話応答の待ち時間は数秒が限度で、10〜100分岐を持てば、単純計算で、待ち時間も1/10〜1/100となる。
    • (分岐の自己生成は(可能性は有ると思うが)ここでは言及しない。)
    • 上記はWikipediaの『フレーム問題』の項に有る、「あらかじめ複数のフレームを準備しても、そのフレーム選定に同様の問題が生じる」の例そのものだが、それでも、現実的な記憶容量と言及にかかる時間を考慮すると、有限のフレームを準備することは対応の一つの方法になると思う。
    • tree構造を数階層持てば、活用可能な容量がさらに増える。その際実際に稼働しているHDの領域は全容量の1%以下ということも有り得る。これは全知識の1%以下しか能力を使っていないことになるが、システムで、直接使用する1%以外に、常時言及する領域を設定しシーケンシャルに言及するなどの対応も可能と思われる。
    • 実際には、100分岐の場合でも、1つの入力に対し関連の有る複数の領域に書き込むなど、フレキシビリティを持たせることは可能と思う。
    • 一回の対話終了後に次の対話用に、その回のメモリーを適切なtree位置に移動させるとか、HDのtree構造を修正するとか... (一回の回答待ち時間が長いよりはこの方が良いかと。)
  • ただ、明示的に、すべての「記憶」相当の項目を記憶させる必要が有るが。

ニューラルネットワークの実現予定時期は知らないが、実社会では人工知能のようにも見える(人工無脳)システムなどが既に存在している。科学(敢えてそう言うが)の力でさらに進んだものが実現される時は、さらにいろいろなアイディアが実装されていると思われる。(話題性や(外観上の)完成度の高さなどでアピールするようなものも現れるかもしれないが。)