おもちゃモデル(トイモデル)による脳の意識モデルについて

脳や意識の研究を行う場合のアプローチとして、いろいろ有ると思うけど、最も多いのは、ニューロン発火の実際の計測によるものと想像できる。他にも、計算モデルによるアプローチも有ると思うけど、基本は統計手法を用いて入力をある決まった方法で分類するようなものが多いのではないか?(無茶苦茶乱暴なことを書いているので異論も多いと思いますが。)
何が言いたいかというと、表題に書いたトイモデルによる脳全体の再現というのは非常に珍しい部類に入るように思う。特に意識(メタ認知、自由意志、含む)に関するものは少なく、本当は何が何のためにおきているのか?を予測した上での研究というものは殆ど皆無ではないかと思われる。
そういう意味では、単純化したおもちゃモデルだけで脳の機能を再現するような試みは、もっと有っても良いと思う。(今は的をはずれているものが多いと思うが、中には芽のようなものも有るはず。)計測と現象解明は基本であり非常に重要だが、アプローチは複数有るべきではないか。
単純なトイモデルによるシミュレーションが顧みられないのは、実際の脳神経での確認のための糸が繋がっていないこともあるが、仮説やモデルの意味そのものが理解されていないことが大きいと思う。大多数の研究者は主流の研究に就くのは当然で、現状、仮説の糸口も無いように思われている意識のモデル化などはまず目にすることは無い。ボクの仮説も自身でいろいろつぶやいたりしていても、まだまだ多くの人の理解には至らず、説明不足と思う。
ただそんなことはおかまい無しに、日本以外では強引に意識のシステムを再現させてしまう動きが有る。結果を重要視する視点から見ると、強引な動きによる現状打開はそう遠くないかもしれない。
ホーキンスの仮説はともかく、最近のDeep Learningなどで話題になった猫を含む画像を見せるだけで猫を理解するモデルや、Human Brain Projectなどは、上の強引な動きに分類できると思うが、実は、疑似自由意志や疑似メタ認知につながる仮説に繋がると思う。実はこれらは、ニューロン発火の連鎖による信号伝播により情報を記録し、また、記録を取り出すしくみである。お気づきのように、この仕組みには中央制御司令を出す司令部は無く、(当然?)、ホムンクルスなど存在しない、

ある領域の研究の実体が、別の領域の研究を超えているということが起こっているのかもしれません。(ちょっと確認不足ですが。)脳のマップを作成し、計測により記憶や判断時に最もよく発火する脳の「領域」を探っている研究者の中には、記憶や判断を「司る」領域が存在すると漠然と考えている人もいるのではないでしょうか?
一方で、産業に近い脳プロジェクトをやっている研究者(欧米の強引な手法を含む←かなり偏見)は、恐らく「意識」とか意識に無いため、やっていることがみな繋がっているということを言おうともしない(メタ認知や自由意志研究のきっかけになると気付いてもいない)のかなと感じる。
(強引でない方の)「意識」に注目している研究者はどうかというと、実はこちらも(最も近いTononiでさえ)意識と、自由意志やメタ認知、本能・感情との繋がりを気にしていない。これは、(トイモデルが無いこともあるが、)本当は何が何のためにおきているのか?の視点が不足していることも原因ではないかと思う。
今日はボクの仮説はあまり書かないけど、意識が「記憶からの連想」をもとにしているという仮説から、メタ認知、自由意志、本能、等が説明できる(感情も本能やそれとシームレスなエピソード記憶から説明できる)ようなことを連想できれば、すべてが繋がっていることに気付くと思うんですが。
脳や意識の問題の整理について、前に言った雑誌Newton(など)に期待していたのですが、(学会などもばらばらの動きのようなので。)どうしても一面的ですね。(話を聞く人が限られているためどうしても自分の研究中心になる。)孤立しているホーキンスの動きなどがもう少し顧みられたら、もう少し全体を見た解説が期待できると思うのですが。

※以上、8/17のtwitterへのpostをもとに加筆・修正。

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